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手具について

 体操の運動は大きく分けて、何も持たない運動と手具を用いた運動に大別される。手具とは手に もって操作できる器具や用具、道具のことで、器械運動で用いられるマット、跳び箱、鉄棒のよう な固定された器械、器具に対する言い方である。手具体操に用いられる手具はボール、縄、棒、輪(フラフープ)、 棍棒、布などが古典的なものとしてあげられるが、近年動きを誘発する魅力的な用具が登場してきている。 この新しいものは、あまり手具とはいわれないようである。
 体操で手具を使用する場合に考慮する点について、新しい体操の父といわれているR.ボーではその主著である リズム体操の中で次のように言っている。「道具を用いての運動は、道具を用いない“自由な”運動を補うものでは ありますが、決してそれにとって代わることはできません。―中略―生徒が自分のからだの“自由な運動”を支配 できないかぎり、道具を用いた運動においても、確実に運動を実行することができないで無理が生じます。なぜなら、 道具は、運動を制約するからです。」(ルードルフ・ボーテ著、万沢遼訳、ベースボール・マガジン社、1975)
 確かに手具を用いた運動は、手具を操作するための技術を必要とするので、何も持たない運動と比較すると、難易度が 高いとかんがえられることもある。しかし手具を用いることによって運動がより具体的になり、運動の特性を習得することが 容易になることもある。例えば体操の基本である「弾む」「振る」という運動の性質は、初心者にとって表現することが 簡単ではないが、ボールを弾ませたり、棍棒を振ったりすることで、これらの運動の性質を理解する助けになるだろう。
 指導者は手具の特性をよく理解し、使い方を工夫することが求められる。適切な手具を利用することで、運動の理解が深まったり、 運動の変化や発展の可能性が広がり、更には新しい運動に挑戦する意欲を高めることができる。これらを通して、 体操のねらいである動きの質を高め、多様な動きを習得することにつながると考えられる。